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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科15巻3号

1987年03月発行

文献概要

研究

顔面痙攣患者における後頭蓋窩容積の測定とその意義

著者: 山本義介1 近藤明悳2 花北順哉3 西原毅4 絹田祐司4 中谷英幸4

所属機関: 1松坂中央総合病院脳神経外科 2北野病院脳神経外科 3静岡県立総合病院脳神経外科 4京都大学病院脳神経外科

ページ範囲:P.243 - P.248

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I.はじめに
 顔面痙攣は,顔面神経がその起始部近傍にて血管により圧迫されるために発生することが明確となり,したがってその根本的治療として,顔面神経より圧迫血管を遊離する顔面神経減圧術がわが国においても10年前から著者らにより広く行われるようになった2,3,5).ところで顔面痙攣患者の頭蓋単純撮影を詳細に検討してみると,その多くの例で後頭蓋窩容積が小であるという印象が強く(Fig.1),したがって顔面痙攣発生機序の1つの条件である椎骨脳底動脈系の血管構築上の特徴6)以外に,後頭蓋窩容積が狭小であるという要素をも症状の発生原因として考えるべきであると推測するに至った.しかしながら,今まで放射線学的に頭蓋内容積を詳細に測定した報告がないため,著者らはCT scanを用いた独自の方法により,これら顔面痙攣患者の後頭蓋窩容積の全頭蓋腔容積に対する比率を測定し,同時期に測定したこの疾患以外の患者のそれをコントロールとして比較検討したのでその結果を報告するとともに,その臨床的意義について検討を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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