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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科15巻3号

1987年03月発行

文献概要

症例

頭蓋内外での流入血管遮断術を行ったPersistent trigeminal artery aneurysmの1症例

著者: 八巻稔明12 竹田正之1 高山宏1 中垣陽一1

所属機関: 1砂川市立病院脳神経外科 2現籍 札幌医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.313 - P.318

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I.緒言
 persistent trigeminal artery(以下PTA)は胎生期からの遺残血管であり,血管壁の構造上などから破裂もしくは動脈瘤を発生しやすいと考えられているが,PTA aneurysmは実際には稀な疾患である.直達手術に関してはMorrison11),児玉8)らによる2例の報告をみるのみであるが,海綿静脈洞内PTA aneurysmの根治手術は洞内を諸神経が走行し,また静脈洞よりの止血が容易ではないなどの困難があり,両報告例とも術後に眼筋麻痺,顔面知覚障害を残している.
 われわれは,海綿静脈洞部PTA aneurysmに対し,血液循環動態の検討から頭蓋内外での流入血管の血行遮断を行ったが,神経脱落症状を残さずに社会復帰せしめることができ,動脈瘤破裂のriskを低下させるに有効な治療法のひとつと思われたので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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