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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科15巻4号

1987年04月発行

文献概要

集中連載 MRI診断・1【新連載】

脳神経外科医に必要なMRIの知識

著者: 吉川宏起1

所属機関: 1東京大学放射線科

ページ範囲:P.365 - P.372

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I.はじめに
 核磁気共鳴(nuclear magneticresonance;NMR)現象を応用した映像法である磁気共鳴映像法(magnetic reso—nance imaging:MRI)が英国においてはじめて臨床に応用されたのは今から約7年前のことであった1).MRIによる人体の画像は1977年に報告されているが,その当時すでに臨床に応用されていたX線CTの画質と比較すると,解像力の点で数段劣っていたため,MRIの開発はX-CTに比べ大きく遅れをとったのである.現在のようにMRIの画質が向上し,X線CTのものと比べても見劣りするどころか部位によっては優れた画像が得られるようになったのは,強度が高くしかも均一性の高い静磁場を作ることのできる超電導磁石の開発によるところが大きい.超電導磁石による臨床応用は1980年代に英国と米国で開始されている.当時は前者が0.15T2),後者が0.35T3)の磁場強度によるものであったが,今日では1.5Tの高磁場の臨床装置が稼働している.高磁場の装置が,すなわち良好な画質に結びつくわけではないのであるが,体動の影響の少い脳や脊髄では,高い空間分解能の画像が得られるのである.これは主として信号雑音比(SNR)が高くなるため薄いスライス厚での撮像や拡大撮像によって画質の低下が生じにくいことによっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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