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研究
Oligodendrogliomaの治療成績の検討—術後の放射線化学療法を中心に
著者: 北原正和1 片倉隆一1 増山祥二1 新妻博1 吉本高志1 鈴木二郎1 森照明2 和田徳男3
所属機関: 1東北大学脳研脳神経外科 2大分医科大学脳神経外科 3国立仙台病院脳神経外科
ページ範囲:P.397 - P.403
文献購入ページに移動oligodendrogliomaは大部分が大脳半球,主として前頭葉に発生し,比較的良性の腫瘍とされている.しかし,大脳皮質をびまん性に浸潤すること.脳梁を介して対側にまで進展する特徴を有することから,その外科的治療は困難なことも多い2).また5年生存率の報告は30-100%と差がみられるが,早期死亡例の報告も少なからずみられる4,6,7,9,11,13,14,18-20).
従来,Oligodendroghomaに対する術後の放射線化学療法の必要性については議論の多いところであり,特に病理組織学的に良性の場合には判断に迷うところである.最近でも術後の放射線療法について,有効とする報告と,手術単独と予後に差がみられないとする報告がある.本稿では,われわれがこれまでに経験したoli-godendrogliomaについて,術後の放射線療法あるいは放射線と1-(4-amino-2-methyl-5-pyrimidinyl) methyl-3-(2-chloroethyl)-3-nitrosourea hydrochoride (ACNU),1-(2-tetrahydrofuryl)-5-fluorouracil (FT-207),PSKの併用(RAFP療法)を中心とした放射線化学療法の効果を検討し,若干の文献的考察を加えたので報告する.
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