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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科15巻4号

1987年04月発行

文献概要

症例

慢性硬膜下血腫術後のSubdural tension pneumocephalus—Asymptomatic pneumocephalusと比較して

著者: 石渡祐介14 藤野英世1 窪倉孝道2 坪根亨治2 関野典美3 藤津和彦3

所属機関: 1横須賀共済病院脳神経外科 2汐田病院脳血管障害センター脳神経外科 3横浜市立大学脳神経外科 4現籍 神奈川県立足柄上病院脳神経外科

ページ範囲:P.419 - P.424

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I.はじめに
 慢性硬膜下血腫(以下cSDHと略する)術後に認められる頭蓋内空気貯留は,日常診療上よく経験されるが,それがmass effectを呈し神経症状の悪化の原因となることは比較的稀である.このようなsubdural tensionpneumocephalus(以下TPと略する)の報告は,CT導入後散見されてはいるが,まとまった形での報告は少なく,いまだにその原因,臨床的特徴,CT所見に関して未解決な問題が残されている.TPの正確な診断には頭蓋内圧の測定が必須と考えられるが,このことは実際には不可能に近く,多くの場合CT scanから得られる頭蓋内圧亢進の間接的所見と臨床症状とを考え合わせ診断されている.ここに大きな落とし穴がないであろうか?空気と脳実質ではCT値が大きく異なり,それらの境界ではartifactsが生じることはよく知られている.われわれはartifactsによるmass effectをもってして頭蓋内圧亢進所見ととっているのではないかという疑問がここに生じてきた.そこで著者らは,真のTPの臨床的特徴を明らかにするため,再手術により空気の噴出を確認した真のTP5例と,大量の空気貯留を認めたにもかかわらず,症状を呈さなかったsubdural asymptomaticpneumocephalus(以下APと略する)14例とを比較検討し,興味ある新知見を得たので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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