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症例
脊髄硬膜外髄膜腫の1症例—神経放射線学的所見を中心として
著者: 京嶌和光12 西浦巌1 小山素麿1
所属機関: 1大津市民病院脳・神経外科 2現籍 滋賀医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.443 - P.449
文献購入ページに移動脊髄髄膜腫の約80%が硬膜内髄外に発生し,残り大部分は硬膜内外にわたって存在する.ところが極めて稀に硬膜外に発生することがあり,硬膜外腫瘍のほとんどが悪性のものであることから,たいていの場合,悪性腫瘍と考えて手術され,術中迅速組織検査や,経験深い術者の洞察によって診断ないし疑いを持たれて根治的切除がなされることが多い.また,術後の固定組織標本によって診断がつき,根治手術が追加される例もある2,6,16).
われわれは最近この非常に稀な脊髄硬膜外髄膜腫の1症例を経験したが,脊髄撮影,metrizamide CT (以下met.CTと略す),静脈内造影剤注入による増強CT(intravenous contrast enhanced CT,以下i.v.e.CTと略す),血管撮影,MRIなどを駆使し,術前より大いにその疑いを持って手術を行い得た.そこでこの腫瘍の神経放射線学的検査上の特徴を呈示するとともに,若干の文献的考察を加えて報告する.
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