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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科15巻5号

1987年05月発行

文献概要

研究

頭蓋内Ependymomaの治療成績の検討—特に放射線化学療法の効果について

著者: 北原正和1 片倉隆一1 菅野三信1 新妻博1 吉本高志1 鈴木二郎1 森照明2 和田徳男3

所属機関: 1東北大学脳研脳神経外科 2大分医科大学脳神経外科 3国立仙台病院脳神経外科

ページ範囲:P.495 - P.501

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I.はじめに
 ependymomaは限局性腫瘍とされ,gliomaの中でも全摘出が可能とされている.しかし,脳深部に存在することが多く,悪性度の高い症例も稀でなく,また髄液播種もときにみられることから,治療が困難で予後不良となる症例も少なくない.脳腫瘍全国集計調査報告17)をみても,頭蓋内ependymomaの5年生存率は44.5%,malignant ependymomaでは26.5%で,予後良好とはいい難い.しかし近年,頭蓋内ependymomaに対し,術後放射線療法を行い,治療成績が向上したという報告がみられるようになり,放射線療法の有効性が強調されている8,9,16,19,20,22,24).しかし,術後の化学療法の併用に関しては治療効果を検討した報告はほとんどみられない20).われわれはここ数年,頭蓋内ependymomaに対して,手術に放射線療法の他,1-(4-amino-2-methyl-5-pyrimidinyl)methyl-3-(2-chloroethyl)-3-nitrosoureahydrochloride(ACNU),5-fluorouracil(5-Fu),1-(2-tetrahydrofuryl)-5-fluorouracil(FT-207)を中心に化学療法の併用を行ってきた.今回,これらの治療成績,特に放射線化学療法の有効性について検討し,若干の知見を得たので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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