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研究
結合型EstrogenによるChemical embolization—第2報 実験的研究
著者: 清水幸彦1 長嶺義秀1 藤原悟1 鈴木二郎1
所属機関: 1東北大学脳研脳神経外科
ページ範囲:P.513 - P.521
文献購入ページに移動頭頸部の血管病変に対しては,現在数多くの人工塞栓術が関発されている29)が,われわれは結合型estrogen(Premarin®)を用いた人工塞栓術を独自に開発し,臨床例における有用性を報告してきた11,20,27).さらに,その後経験した症例を加え,第1報では40例の臨床例の報告を行った21).一方,動物実験でもウサギ腸間膜を用いた本剤の動注実験において,微小循環障害が発生することを報告し,結合型estrogenを用いた塞栓術によって,動静脈奇形のnidusが閉塞される可能性を示してきた19).
今回われわれは,ラット腸間膜を用いて,結合型estrogenの動注による微小循環の変化,および血管内皮細胞,赤血球の形態的変化を観察し,本剤の塞栓作用の主因と考えられる知見を得たので報告する.
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