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症例
経蝶形骨洞硬膜外バルーン法で治癒せしめたPrimary empty sella syndromeの1例
著者: 長尾省吾12 衣笠和孜1 西本詮1
所属機関: 1岡山大学脳神経外科 2現籍 香川医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.555 - P.559
文献購入ページに移動primary empty sellaとはトルコ鞍横隔膜の欠損により,くも膜下腔が嚢腫状に拡大してトルコ鞍内容の大部分を占め,その結果,下垂体が圧排され,鞍内が一見空虚になっている状態をいい,剖検例の5.1%に認められる3).頭蓋単純写上その約90%はトルコ鞍拡大を伴い1,18),逆にトルコ鞍拡大例の8-25%9)にempty sellaが認められるという.
したがって下垂体腺腫との鑑別診断が重要となってくる.多くのprimaryempty sellaは無症状で経過するため,外科的治療の対象とならない.したがってどういう症例に手術適応があるか異論のあるところである。
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