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集中連載 MRI診断・3
脳血管障害のMRI診断
著者: 青木茂樹1
所属機関: 1東京都立駒込病院放射線科
ページ範囲:P.589 - P.595
文献購入ページに移動MRIの一般的な事項については,すでに前々号で述べられているので,今回は脳血管障害のMRIについて代表的症例を供覧しつつ述べてみたい.
脳血管障害におけるMRIの特徴はまず第1に出血におけるヘモグロビンの磁性の変化をとらえ,その時期により多彩で,かつ他の占拠性病変とは異なる特異な像を示すことが挙げられる.もうひとつ,MRIは血流に鋭敏であり,現在でも,たとえばAVMのnidusはもちろん,feeder, drainerが描出でき,研究レベルではMRangiographyとして正常人での画像が得られている.この2つは特に脳血管障害において有用な点であるが,他の特徴である後頭蓋窩で骨のアーチファクトのないことは脳幹の小病変も明瞭に描出可能にし,白質・灰白質などのコントラストの高いことは,神経核レベルでの診断を可能としている.任意方向で断面が得られることも,そういった部位診断や,angiomaなどの異常血管の描出に有用である.
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