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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科15巻6号

1987年06月発行

文献概要

研究

実験的虚血脳におけるMannitol, vitamin E, glucocoriticoid三剤併用における脳保護効果—脂質過酸化,エネルギー代謝,脳浮腫への関与

著者: 上之原広司1 今泉茂樹1 鈴木二郎1 吉本高志1

所属機関: 1東北大学脳研脳神経外科

ページ範囲:P.613 - P.622

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I.はじめに
 現在,虚血性脳細胞障害に対し血栓溶解剤,代謝抑制剤(barbiturateなど),free radical scavenger,アラキドン酸カスケード阻害剤(アスピリン,indomethacinなど),頭蓋内圧降下剤などの種々の薬剤投与が試みられている.外科的見地からは頭蓋外内バイパス手術,血栓除去術をはじめとする脳血流再開の試みがなされているが,虚血脳において不可逆的変化が生ずる以前の急性期における治療法はいまだ確立しておらず,種々検討されている現況である.当教室においては脳梗塞急性期においてわれわれが開発してきた各種脳保護物質を使用することにより,脳虚血による不可逆的変化の抑制ならびに時間的延長を計った上で急性期血行再建術を積極的に行っている25).脳保護物質としては,虚血における膜脂質過酸化による細胞障害に注目し,radical scavengerあるいはradical reaction inhibitorとしてmannitol, vitaminEおよびglucocorticoid9,10,26,29)あるいはFFA liberation抑制効果を実証し得たphenytoin14)の組み合わせによる併用療法を脳梗塞急性期や虚血性脳血管障害あるいは術中一時的脳血流遮断の際に施行している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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