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文献概要
症例
乳児期髄膜腫の1症例
著者: 木村英基1 中川晃1 榊三郎1 松岡健三1
所属機関: 1愛媛大学脳神経外科
ページ範囲:P.663 - P.668
文献購入ページに移動小児期,とりわけ1歳以下の乳児期の髄膜腫は極めて稀とされている.Matson16)によると14歳以下の小児期頭蓋内腫瘍750例中,髄膜腫は3例(0.4%)のみであり,1歳以下の症例は含まれていない.また本邦でも佐野23)によると589例の小児脳腫瘍中でも8例(1.4%)のみであり,他の報告でも14歳以下の全脳腫瘍中に占める髄膜腫の割合は0.4-2.6%12,30)と少ない.ことに1歳以下の乳児例については著者らが調べ得た範囲ではあるが現在まで世界で22例の報告をみるにすぎない.著者らは生後10カ月に痙攣を初発症状として発症した,前頭頭頂部髄膜腫の乳児症例を経験したので報告するとともに,1歳以下の乳児髄膜腫報告症例について成人例との対比を行いながら文献的考察を加える.
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