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症例
Chiari奇形,Basilar impressionを伴った脊髄空洞症の1剖検例
著者: 井須豊彦1 岩崎喜信1 佐々木寛1 阿部弘1 田代邦雄2 中村仁志夫3
所属機関: 1北海道大学脳神経外科 2北海道大学神経内科部門 3北海道大学医療技術短期大学衛生技術学科
ページ範囲:P.671 - P.675
文献購入ページに移動Chiari奇形,basilar impressionなどの大後頭孔部奇形に脊髄空洞症が高頻度に合併することはよく知られているが6,7,12),その発生機序に関しては種々の説が提唱されており2,4,8,11,14,15),議論のあるところである.これらの説のうち,現在Gardnerのhydrodynamic theory8)が最も受け入れられている.しかしながら,Gardnerの説のみでは説明が困難な症例が存在することも確かである.われわれは,脊髄実質内の先天的異常,すなわち髄内小血管の異常分布が空洞発生と深いかかわり合いがあったと考えられた脊髄空洞症の1剖検例を経験したので,症例を供覧し,本症例における空洞発生機序について考察を加える.
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