文献詳細
文献概要
集中連載 MRI診断・4
脱髄・変性疾患のMRI診断
著者: 南学1
所属機関: 1東京大学放射線科
ページ範囲:P.703 - P.707
文献購入ページに移動I.はじめに
脱髄・変性疾患の診断におけるMRIの有用性は,(1)高い組織コントラスト分解能が得られ,灰白質・白質・大脳基底核などの異常の診断が容易であること,(2)後頭蓋窩で骨のアーチファクトがないため,脳幹の小病変の検出が比較的容易であること,(3)任意の断層面が得られること,などである.一方,撮像時間が長いことや,不随意運動によるmotion artifactの影響を受けやすいことは短所であり,現在,数秒単位の短時間撮像法が開発されてきてはいるものの,この分野での有用性は明らかではない.
第1回で述べられたように臨床的にはスピンエコー法によるT1強調像とT2強調像の2種類が頻繁に用いられ,正常者では,前者では白質,灰白質,脳脊髄液の順に,後者では脳脊髄液,灰白質,白質の順に信号強度は低くなる.大脳基底核は灰白質と似た信号強度を示し,脳梁は白質と似た信号強度を示すが,T1強調画像では脳梁は周囲の白質より高信号を示すことが多い.
脱髄・変性疾患の診断におけるMRIの有用性は,(1)高い組織コントラスト分解能が得られ,灰白質・白質・大脳基底核などの異常の診断が容易であること,(2)後頭蓋窩で骨のアーチファクトがないため,脳幹の小病変の検出が比較的容易であること,(3)任意の断層面が得られること,などである.一方,撮像時間が長いことや,不随意運動によるmotion artifactの影響を受けやすいことは短所であり,現在,数秒単位の短時間撮像法が開発されてきてはいるものの,この分野での有用性は明らかではない.
第1回で述べられたように臨床的にはスピンエコー法によるT1強調像とT2強調像の2種類が頻繁に用いられ,正常者では,前者では白質,灰白質,脳脊髄液の順に,後者では脳脊髄液,灰白質,白質の順に信号強度は低くなる.大脳基底核は灰白質と似た信号強度を示し,脳梁は白質と似た信号強度を示すが,T1強調画像では脳梁は周囲の白質より高信号を示すことが多い.
掲載誌情報