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研究
大脳基底核・視床部AVMに対する術中塞栓術
著者: 山形専1 菊池晴彦13 伊原郁夫1 永田泉1 鳴尾好人1 宍戸尚1 伊藤守1 橋本研二1 南川順1 宮本享1 渡部洋一1 唐澤淳2
所属機関: 1国立循環器病センター脳神経外科 2大阪脳神経外科病院 3現籍 京都大学脳神経外科
ページ範囲:P.717 - P.723
文献購入ページに移動脳深部に位置する脳動静脈奇形(AVM)は一度出血を起した場合,脳表に位置するものより出血しやすいとされ,さらに出血をきたした際にはその部位的特徴のため症状は重篤となり生命を脅かすことも多い6,7,12,13).しかしながらmicrosurgeryの導入や手術機器の改良といった近年のめざましい脳神経外科手術の進歩にもかかわらず,大脳基底核・視床部におけるAVMに対する直達手術は現在なお極めて困難とされている4,8,11).一方,最近のintravascular surgeryの進歩は脳血管障害にももたらされつつあり,新しい治療法の1つとして注目されている3,9).
これまで,われわれは出血をくり返し,直達手術が困難と考えられた大脳基底核・視床部の比較的大きなAVM症例に対し,シアノアクリレートによる術中塞栓術を試みてきた.この手術法に関し,これまで経験した症例を提示し,その手術手技,適応,合併症などにつき検討し,考察を加える.
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