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症例
細菌性脳動脈瘤—脳内血腫形成2例と手術適応に関する考察
著者: 岡部慎一1 乙供通則2 百川健3 高橋賢二3
所属機関: 1弘前大学脳神経外科 2青森労災病院脳神経外科 3青森労災病院外科
ページ範囲:P.983 - P.988
文献購入ページに移動細菌性脳動脈瘤は全脳動脈瘤の0.4%以下といわれ1),最近では稀な疾患とされているが,そのほとんどが細菌性心内膜炎に続発する故に,心臓外科の普及した昨今,その術後合併症の1つとして注意すべきものである3,13).しかし,本疾患の手術適応はいまだ確立されていないようである11,13,16).
最近われわれは,開心術後の細菌性心内膜炎に起因し,脳内出血で発症した細菌性脳動脈瘤の2例を経験した.1例は,左右中大脳動脈,左後大脳動脈および右前大脳鎌動脈の末梢部に発生した多発性のもので,他の1例は左中大脳動脈末梢部の単発性のものであった.これらの症例を手術および抗生物質の投与で治癒せしめたが,いずれの症例も手術適応に関して極めて興味深い知見を示したので,ここに症例を提示し,主に本疾患の手術適応につき若干の文献的考察を加えて報告する.
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