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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科16巻1号

1988年01月発行

文献概要

研究

転移性脳腫瘍に対するCisplatinとAclarubicin hydrochlorideの併用療法

著者: 田中孝幸1 小林達也1 木田義久2

所属機関: 1名古屋大学脳神経外科 2小牧市民病院脳神経外科

ページ範囲:P.23 - P.28

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I.はじめに
 最近,種々の抗癌剤の研究が進み,多剤併用療法が応用されつつある.そのなかでもcis—Diamminedichloroplatium(CDDP)は癌細胞内のDNAと結合し,DNA合成およびそれに引き続く癌細胞の分裂を阻害することにより19,20),泌尿器科領域,婦人科領域,肺癌などの治療に使用され,その有効性を認められ20),さらにglioblastoma multiformeやmalignant germcell tumorなどの悪性脳腫瘍1,6,7,9,12,14,21)にも使用されつつある.またaclarubicin hydroch—Ioride(ACR)はAnthracyclin系抗腫瘍性抗生物質で,癌細胞のDNAに結合して核酸合成,特にRNA合成を強く阻害し18),胃癌10),肺癌15),白血病27),婦人科領域24)を中心に応用され,cisplatinとの併用療法の有効性も3,4)も報告されつつある.今回われわれは転移性脳腫瘍に対し,cisplatinとaclarubicin hy—drochlorideとの併用療法を行い,その効果について,治療前後のCT所見,臨床症状の経過,副作用について検討した.また術中6例の患者についてaclarubicin hy—drochlorideの脳腫瘍組織内濃度についても調べたので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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