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文献概要
症例
重複中大脳動脈を伴った脳動静脈奇形の1例
著者: 野口眞志1 重森稔1 原邦忠1 石橋章1 渡辺光夫1 倉本進賢1
所属機関: 1久留米大学脳神経外科
ページ範囲:P.81 - P.84
文献購入ページに移動重複中大脳動脈(duplication of middle cerebral artery)とは内頸動脈から起こり,中大脳動脈主幹と平行に側方に走り中大脳動脈支配領域の一部に分布する異常動脈のことをいう15).1962年にCrompton2)が剖検例において10例の重複中大脳動脈と1例の副中大脳動脈を報告しているが,一般に重複中大脳動脈という名称は前大脳動脈から分岐する副中大脳動脈(accessory middle cerebralartery)とは区別して用いられる7,9).そして,これら異常動脈と脳動脈瘤との合併例についてはすでに多くの報告があるが1,3,7-9,12),脳動脈瘤以外の血管奇形の合併例の報告は意外に少ないようである1,4,5,10,18).われわれは重複中大脳動脈に脳動静脈奇形を伴った1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
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