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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科16巻10号

1988年09月発行

文献概要

研究

脳死患者における視床下部および下垂体系機能—血中両ホルモンの定量結果

著者: 有田和徳1 魚住徹1 沖修一1 大谷美奈子2 田口治義2 盛生倫夫2

所属機関: 1広島大学脳神経外科 2広島大学救急部集中治療部

ページ範囲:P.1163 - P.1171

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I.目的
 1985年11月の厚生省脳死に関する研究班(竹内一夫委員長)の報告によれば"脳死とは脳幹を含む全脳髄の不可逆的な機能喪失の状態である"と定義されている15).脳死の定義を全脳死とするか英国基準の如く脳幹死とするかは基準によって様々であるが,いずれの基準でも脳幹機能の廃絶は脳死判定の絶対必要条件として断定されているところである.一方,脳幹部とは視床下部を含めた間脳,中脳,橋,延髄の総称である18)が,現在までのところ,脳死患者において脳部の一部である視床下部機能が真に廃絶しているか否かについては明らかではない.今回,われわれは脳死状態における視床下部下垂体系機能の存否を確認する目的で脳死患者を対象に下垂体ホルモン基礎値の測定,下垂体負荷試験を行い,さらに一部の患者の視床下部ホルモンの測定を行ったので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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