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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科16巻11号

1988年10月発行

文献概要

症例

眼窩経由頭蓋内異物の1症例

著者: 須川典亮13 関本達之1 上田聖1 横川浩己2

所属機関: 1社会保険神戸中央病院脳神経外科 2社会保険神戸中央病院眼科 3京都府立医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.1311 - P.1315

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I.緒言
 眼窩経由頭蓋内異物の症例は,過去においては,戦争下における症例という形で多くが報告されてきた11,3).そして,現在においても,銃の所有が許されているアメリカ等においては,銃弾の頭蓋内異物の症例がしばしば報告されている5,22).しかしわが国では,銃弾によることは殆どなく,幼小児の外傷(鉛筆,箸,ナイフetc.)10,13,20)及び,自動車事故の増大にともなうフロントガラス,特に強化ガラスによる顔面外傷の副次損傷として数例の報告がなされているのみである6,7,12,23)
 今回われわれは,軽度の顔面外傷であったにもかかわらず,フロントガラスの破片が多数眼窩経由に頭蓋内に達し,しかも術後軽度の視力障害以外特に症状を残すことなく治癒させることができた症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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