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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科16巻12号

1988年11月発行

文献概要

研究

頭部外傷における大脳・脳幹誘発電位の臨床的検討

著者: 二階堂雄次13 下村隆英1 平林秀裕1 内海庄三郎2 京井喜久男2 宮本誠司2

所属機関: 1清恵会病院脳神経外科 2奈良県立医科大学脳神経外科 3現籍 市立松原病院脳神経外科

ページ範囲:P.1373 - P.1381

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I.はじめに
 閉鎖性頭部外傷による脳損傷では,衝撃により発生する一次性脳損傷自体が局所にとどまらず広範囲に及ぶ場合が少なくなく,さらに二次性脳損傷の影響も加わって脳損傷自体が量的かつ質的にも変容を示すという特徴を有している.このような頭部外傷での脳損傷の特異性に注目し,その病態把握のために各種の誘発電位(EP)を組み合わせて施行し多角的な脳機能の評価を行おうとする試み4,5)が生まれた.ただし,各種EPを単に記録しその成績を積み重ねて検討するというのでは不十分であり,脳損傷の状況を総合的に評価する視点からの検討がなされなければならない.本稿では,聴覚脳幹誘発電位(ABR),長潜時体性知覚誘発電位(SEP),視覚誘発電位(VEP)の3種類のEPを応用した統合的評価法について述べるとともに,損傷脳の病態把握における意義について報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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