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研究
実験的プラトウ波における脳波
著者: 小暮祐三郎12 藤井博之1 東壮太郎1 橋本正明1 山本信二郎1
所属機関: 1金沢大学脳神経外科 2市立敦賀病院脳神経外科
ページ範囲:P.1439 - P.1443
文献購入ページに移動1960年Lundberg12)は脳腫瘍症例の頭蓋内圧を持続的に測定して,頭蓋内圧変動を3つに分類し,A, BおよびC波と呼んだ.A波は台形をなして急激に50-100mmHg上昇し,そのまま5-20分持続して急降下するものであり,その形からプラトウ波と呼ばれた.プラトウ波の出現に伴い,患者はしばしば頭痛,吐気を訴える.プラトウ波の頻回の出現は意識レベルの低下,徐脳硬直様の筋緊張,伸展発作を来し,固体を死に至らしめる12,13).また,正常圧水頭症におけるシャント手術適応の指標となるなどその臨床的意義は大きい1,6,18).プラトウ波の発現機序に関しては脳波上の脱同期化に注目し,脳幹の重要性を指摘する報告がある10),本研究ではプラトウ波発現モデルを作製し,このモデルを用いて脳幹網様体の電気刺激を行い,プラトウ波の誘発を試みた.さらに,プラトウ波誘発時の脳波を記録し,脳波の周波数解析を行い,プラトウ波の発現機序について検討した.
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