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研究
Dynamic CTによる下垂体腺腫の診断—下垂体microadenomaにおけるdirect signおよびindirect signについて
著者: 田辺純嘉1 上出廷治1 大坊雅彦1 丹羽潤1 端和夫1
所属機関: 1札幌医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.1457 - P.1463
文献購入ページに移動下垂体microadenomaに対し筆者らは過去数年間にわたりthin-section hypocycloidal tomography5),inter—cavernous sinus venography8),high resolution CT9)等を用いた診断の可能性と限界を検討し,それぞれにおける診断基準を明かにしてきた.その結果,high resolu—tion CTが最も有用であると思われたが,これを用いた場合でもmicroadenomaに対する診断率は約70-80%程度に留まり,とくに直径7mm以下の腺腫では重要な診断の手掛かりとなる下垂体茎の偏位・鞍隔膜の挙上等の所見はみられず,さらに直径5mm以下の腺腫では下垂体腺腫の存在を示すhypodensityを描出することさえも困難であった.
そこで,直径5mm以下のmicroadenomaのより精度の高い診断法の確立を目指してDynamic CTを行い,その所見を腺腫の存在を直接示すdirect signと腺腫による下垂体組織の偏位を示すindirect signに分けて検討した.
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