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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科16巻13号

1988年12月発行

文献概要

研究

EC-ICバイパス術の血行動態モデル解析—第1報:Autoregulationを考慮したモデルによるバイパスの至適条件の検討

著者: 長澤史朗13 菊池晴彦1 大槻宏和1 森竹浩三1 米川泰弘2

所属機関: 1京都大学医学部脳神経外科 2国立循環器病センター脳神経外科 3現籍 大阪府済生会中津病院脳神粁外科

ページ範囲:P.1471 - P.1478

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I.はじめに
 浅側頭動脈—中大脳動脈吻合術をはじめとするEC—ICバイパス術は脳血流量を増加させる方法として普及してきた.しかし一方では吻合部の中枢側における狭窄性病変の閉塞化,既存動脈瘤の巨大化や破裂,また末梢側における出血性梗塞やbreakthrough現象の出現が報告されるに至った2,7).これらの手術合併症についてはバイパス路設置に伴う血行動態変化が原因であると推定されてはいるが,詳細は不明である.また大きな内径のバイパス路を選択することの功罪や,他の血管部位への影響を最小限に抑えつつ脳血流量を増加させうるかどうかなどの問題について十分な検討はなされていない.
 これらの理由の一つとして,生体における血行動態には多くの要素が複雑に関係しているため,そのままでは各要素の定的比較が困難であることがあげられる.そこで著者らは各要素の分析が容易な流体モデルを用い,最近ではこれに理論解析モデルを加えて検討してきた3,6)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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