Neurological Surgery 脳神経外科16巻13号

1988年12月発行

症例

脊髄多発性神経鞘腫の1例

著者： 飛騨一利¹ 秋野実¹ 井須豊彦¹ 岩崎喜信¹ 阿部弘¹ 斉藤久寿²

所属機関： ¹北海道大学脳神経外科 ²札幌麻生脳神経外科病院

ページ範囲：P.1489 - P.1493

I．はじめに
　脊髄神経鞘腫は脊髄腫瘍の中で最も多いものである．しかしながら多発性で，しかも各々解剖学的部位を異にする症例の報告は極めて稀である．今回われわれは中位胸髄から腰髄にかけ髄内から髄外，硬膜内髄外，硬膜内外と独立して存在した神経鞘腫の1例を経験したので，文献的考察を加えて報告する．