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症例
周辺血管の2度にわたる狭窄寛解を観察した破裂細菌性脳動脈瘤の1例
著者: 上家和子1 鮄川哲二1 小笠原英敬1
所属機関: 1鳥根県立中央病院脳神経外科
ページ範囲:P.275 - P.280
文献購入ページに移動細菌性脳動脈瘤は極めて短期間に形成され,その形態は短期間に変化することが知られている4-6,8,9,13,15-20,22).また,周辺血管では,攣縮,狭窄,閉塞などの所見も動脈瘤と同時に観察されている場合もある1,2,5,8,9,11,13,15-20,22).それらの周辺血管の変化については,一般にくも膜下出血においてみられる脳血管攣縮と同様の血管攣縮,あるいは血管炎による狭窄,細菌塞栓による閉塞,感染に伴う脳血管攣縮などが考えられるが,充分な検討はいまだなされていない.
今回われわれは,心内膜炎からの細菌性脳動脈瘤の破裂後,動脈瘤の形状の変化のみならず,周辺血管の2度にわたる狭窄と寛解を観察し得た症例を経験した.細菌性脳動脈瘤における周辺血管の変化を中心に若干の考察を加えて報告する.
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