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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科16巻5号

1988年05月発行

文献概要

くも膜下出血・脳動脈瘤

―研究―脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血後の水頭症と脳血管攣縮

著者: 井澤一郎13 頃末和良1 浜野聖二1 長尾朋典1 玉木紀彦2 松本悟2

所属機関: 1長尾病院脳神経外科 2神戸大学脳神経外科 3現籍 三木市立三木市民病院脳神経外科

ページ範囲:P.487 - P.492

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I.はじめに
 脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血に続発する水頭症は,二相性の経過を示すことが知られている13).急性期水頭症は,脳底槽および第4脳室出口付近の血腫による髄液循環障害13,18,19,20,28)やくも膜顆粒閉塞による髄液吸収障害2,5,10,28)が原因であるとされる.一方,慢性期水頭症は,leptomeningeal fibrosisによる交通性水頭症,いわゆる正常圧水頭症であると考えられている1,13,25,18,28,31,37,38).いずれにせよ水頭症発生の第一義的要因は,くも膜下血腫の存在にあると考えられる4).もしそうであるならば,くも膜下血腫の程度と水頭症発生には相関が認められるはずである.また,遅発性脳血管攣縮発生は,くも膜下血腫の程度とよく相関することが知られている12,25-27,30).以上のことより,①くも膜下血腫の程度と急性期および慢性期水頭症発生の相関の有無,②脳血管攣縮と水頭症の関係の2点について検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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