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くも膜下出血・脳動脈瘤
―症例―Ophthalmoplegic migraineに脳動脈瘤を合併した1例—特に眼筋麻痺の発生機序に対する考察
著者: 古城信人1 李宗一1 大鶴力津康1 高木繁幸1 重森稔2 渡辺光夫2
所属機関: 1大牟田市立病院脳神経外科 2久留米大学脳神経外科
ページ範囲:P.503 - P.507
文献購入ページに移動眼筋麻痺性片頭痛(ophthalmoplegic migraine,以下OM)は片頭痛型血管性頭痛のsubtypeとしてよく知られている11).しかし,眼筋麻痺の発生機序に関してはいまだ不明で,拡張した血管による神経の圧迫13)あるいは神経への栄養血管の虚血9,12)など議論が多い.
われわれは臨床的にOMと診断された症例に脳血管撮影を施行したところ,内頸後交通動脈分岐部に動脈瘤を認めたため,開頭術を行った.術中,動脈瘤による動眼神経圧迫はみられず,動眼神経は太い後交通動脈により圧迫されていたため減荷術を行った.術後,動眼神経麻痺は速やかに改善した.本例のように,OMの原因が後交通動脈の圧迫による動眼神経麻痺と考えられた症例は文献上見当らなかった.そこで,症例を呈示し,眼筋麻痺の発生機序を中心に文献的考察を加えて報告する.
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