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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科16巻5号

1988年05月発行

文献概要

血管

―研究―内頸動脈狭窄症における脳血行動態のモデル解析—第2報 両側性高度狭窄症の流体モデルならびに理論解析

著者: 長澤史朗1 菊池晴彦1 大槻宏和1 森竹浩三1 米川泰弘2

所属機関: 1京都大学脳神経外科 2国立循環器病センター脳神経外科

ページ範囲:P.550 - P.556

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I.はじめに
 脳血管外科の立場から脳動脈の機能を考えると,末梢に位置する細動脈や毛細血管は血圧降下作用や組織との間の物質交換など生理的に重要な機能を担っている.これに対してWillis動脈輪や皮質動脈などの中枢側に位置する動脈の機能は末梢側のそれと比較して一般に単純であり導管的要素が強い7).しかしながら脳底部の広い範囲で種々の程度の交通をもち,狭窄・閉塞・動脈瘤・血管攣縮など病変の好発部位であり,血管外科の対象になりうるなどの特徴を有している.
 外科的治療によって生じた血行動態変化は,その局所にとどまらず良きにつけ悪しきにつけ中枢側の他の血管部位や末梢側に影響する.たとえばEC-ICバイパスの設置により動脈内圧や局所脳血流量(rCBF)が増加する一方で,吻合部から離れた部位での動脈流量の減少ひいては血栓形成や閉塞などが起こる可能性が指摘されている1,3,5).また結紮やバルーンによる動脈の閉塞はその近傍の動脈瘤の血栓化や破裂防止効果を持つが,他の部位に存在していた動脈瘤が破裂したり2),新たな動脈瘤が発生した9)という報告もある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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