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腫瘍
―症例―小脳Gangliogliomaの1例
著者: 原田克彦1 重森稔1 小林清市13 杉田保雄1 松尾浩昌1 倉本進賢1 青柳慶史朗2
所属機関: 1久留米大学脳神経外科 2久留米大学第2病理 3現籍 小林脳神経外科
ページ範囲:P.607 - P.612
文献購入ページに移動gangliogliomaはRussellら22)やZülch24)の報告でもわかるように極めて稀な腫瘍とみなされていた.しかし,CT scanの導入や免疫組織化学的技法の向上により最近比較的多くの報告がみられるようになった.また,本腫瘍は決して稀な腫瘍ではないという意見も散見される10).しかしながら,局在を小脳に限るとその発生頻度は全gangliogliomaのなかで9-12%10,12,19,23,24)であり,また本邦における過去の報告は著者らが集計し得た限りでは2例6,16)とわずかのようである.
最近われわれは小脳gangliogliomaの1症例を経験した.そこで,著者らが集計し得た,しかも臨床像の記載が明確であった過去の10例と,われわれの症例1例を加えた11例について臨床的分析を試み,さらに臨床的に鑑別上重要となる小脳astrocytomaとの比較検討もあわせて行い報告する.
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