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手術・治療・外傷
―研究―椎骨動脈紡錘形動脈瘤に対する離脱型バルーンによる治療
著者: 高橋明1 鈴木二郎1 菅原孝行1 蘇慶展1 須賀俊博1 川上喜代志1 吉本高志1
所属機関: 1東北大学脳研脳神経外科
ページ範囲:P.639 - P.646
文献購入ページに移動椎骨動脈の後下小脳動脈近傍に好発する紡錘形動脈瘤(以下本症)は,椎骨脳底動脈系の動脈瘤の約30%を占め17),治療法が困難なものの1つである.また,このなかには再破裂を起こしやすく,脳底動脈閉塞も起こしうる解離性動脈瘤1,4,9,10,12,15,16,19,20)も含まれており,発症早期の治療が極めて重要と考えられる.一方,Serbinenkoが1974年に脳動脈瘤に対する離脱型バルーンによる治療例を報告して以来11),血管内手術による動脈瘤の治療例も増加している2,3,5-8,13).この中で親動脈の近位閉塞法は,内頸動脈瘤に対しては広く行われている方法である2,3,5,7)が,椎骨動脈に対する応用は限られている.われわれは本症6例に対して,離脱型バルーンを用いた近位椎骨動脈閉塞を行い,興味ある知見が得られたので報告する.
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