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文献概要
手術・治療・外傷
―症例―急速な進行を呈したGrowing skull fractureの1例
著者: 桑田俊和12 亀井一郎1 上松右二1 岩本宗久1 栗山剛1
所属機関: 1和歌山赤十字病院脳神経外科 2現籍 和歌山県立医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.677 - P.681
文献購入ページに移動growing skull fractureは,乳幼児に発生した頭蓋骨線状骨折が癒合せずに,次第に拡大し,その部の頭皮に腫脹を認める病変である.本症の発生機序としては,骨折部に発生したくも膜嚢腫14)あるいは脱出脳13,15)が,長期にわたり,頭蓋内圧の拍動を骨折線に伝達することによって,骨縁が破壊され骨折部が拡大していくとされている.
今回われわれは,受傷後数時間のうちに急速に骨折線が拡大し,その後いったんその進行は停止していたが,数日後再び拡大を始めた症例を経験したので,経時的なCT scanおよび頭蓋単純写所見より,その成因を中心に文献的考察を加えて報告する.
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