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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科16巻6号

1988年05月発行

文献概要

研究

尿中ナトリウム排泄過多による低ナトリウム血症—SIADHとの鑑別点と治療法の違い

著者: 石黒修三1 木村明1 宗本滋1 小暮祐三郎1 若松弘一1

所属機関: 1石川県立中央病院脳神経外科

ページ範囲:P.707 - P.711

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I.はじめに
 低Na血症は,脳神経外科領域においてしばしば認められる代謝異常のひとつである.この異常は,かつてはPetersら9)の主張したcerebral salt wasting syndromeで説明され,腎のNa喪失が原因であると考えられていたが,ADH分泌異常症候群(SIADH:syndrome of in—appropriate ADH secretion)の概念がでてくるや,すべての中枢性低Na血症をSIADHで説明しようとする傾向がみられ若干の混乱が認められる.そこで,われわれは詳細な水・電解質バランスシートを作製しえた低Na血症症例で,尿中Na排泄(natriuresis)の程度やADH,循環血漿量の変化を検討し,低Na血症の原因の鑑別のポイントおよび治療上の違いなどについて言及する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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