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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科16巻6号

1988年05月発行

文献概要

研究

脳動脈瘤破裂後のSymptomatic vasospasmの予防効果の検討—抗血小板剤及びCa++拮抗剤の併用療法群非投与群との比較

著者: 藤田勝三1 山下晴央1 増村道雄1 江原一雅1 玉木紀彦1 松本悟1

所属機関: 1神戸大学脳神経外科

ページ範囲:P.741 - P.746

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I.はじめに
 近年microsurgical techniqueの導入,手術時期および手術方法の改良により,脳動脈瘤の手術成績は飛躍的に向上したが,なお術後に発生する脳血管攣縮は,脳動脈瘤患者の死亡率及び機能予後を左右する重大な合併症である2,4-6,10,11,13,14,16,17,20,21).われわれは,脳血管攣縮を惹起させる攣縮物質はくも膜下腔へ出た血腫中に存在すること13,14),単一の平滑筋収縮物質が攣縮の原因ではなく,複数の物質の協同作用による10)こと,またsymp—tomatic vasospasm(SV)の発生には,血管内での血小板機能の亢進,凝固系の亢進が大きく関与し7,22),この血小板機能をさらに亢進させる止血剤投与は攣縮を助長させる9,19)との考えから,われわれ独自の治療方針に基づいて治療した結果,術後のSVの発生が予防され,かつすぐれた手術成績が得られたので,その結果を報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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