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症例
著明な走行異常を示した前大脳動脈に認めた前頭眼窩動脈瘤の1例
著者: 花北順哉1 長安慎二1 西正吾1 鈴木孝典1
所属機関: 1静岡県立総合病院脳神経外科
ページ範囲:P.781 - P.784
文献購入ページに移動前交通動脈より遠位部に発生する動脈瘤は一般に末梢性前大脳動脈瘤と呼ばれており,全脳動脈瘤の約5%を占める比較的稀なものである4-6,8,11,12).この動脈瘤は前大脳動脈の走行異常を高頻度に伴っていること4-6,8,11),主幹動脈が大きく屈曲する先端部に出現することが多く,その発生にhemody—namicsの因子が大きく関与していること4,5),比較的大きなものが多く,動脈瘤内に血栓形成を伴うものが多いこと5)などが特徴とされている.
このたびわれわれは走行異常を伴った前大脳動脈の前頭眼窩動脈部分に発生した動脈瘤を経験した.同部位の動脈瘤症例はいまだ1例の報告をみるのみであり2),非常に稀なものと考えられるために,その脳血管撮影所見,手術所見を中心に報告する.
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