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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科16巻6号

1988年05月発行

文献概要

症例

多発性骨転移をきたしたAngioblastic meningiomaの1例

著者: 浅井昭雄13 松谷雅生1 前田達治1 田中秀樹1 中村治1 船田信顕2 小池盛雄2

所属機関: 1都立駒込病院脳神経外科 2都立駒込病院病理部 3現籍 Division of Neurosurgery, The Hospital for Sick Children

ページ範囲:P.785 - P.789

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I.はじめに
 髄膜腫は本来良性腫瘍であり,手術で全摘出すれば治癒しうる腫瘍であるが,肉眼的に全摘出し得た場合でも約9%に局所再発をみるとされており11),また,腫瘍の発生部位によっては全摘出できないことが少なからずあり,臨床的には必ずしも良性腫瘍とはいいがたい面も多多ある.特にangioblastic meningiomaは他のtypeに比して悪性の病態を示すことが多く,その動態には注意を要する.髄膜腫の頭蓋外転移は全髄膜腫の0.1%12)とも0.6%5)ともいわれ,本症例も含めてこれまでに80例しか報告されておらず,極めて稀といえる.
 発症から7年の経過で組織学的に悪性度が増加し,局所再発を認めないにもかかわらず脊椎を中心に全身の骨に多発性転移をきたした症例を経験したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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