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症例
脳室腹腔短絡術後著明な腹水貯溜をきたしたクリプトコッカス症の1例
著者: 新川修司1 原明1 野倉宏晃1 宇野俊郎1 大熊晟夫1 山田弘2
所属機関: 1県立岐阜病院脳神経外科 2岐阜大学脳神経外科
ページ範囲:P.881 - P.885
文献購入ページに移動渡辺ら24)の報告によれば,真菌による中枢神経系感染症のうちクリプトコッカスによるものは80%以上を占める.しかし,診断は必ずしも容易でなく,死亡率もいまだに高率である4,5,9).
われわれは水頭症にて発症し,何らかの中枢神経系感染症が疑われたが,真菌を含めた頻回の髄液培養検査にても起炎菌が証明されず,脳室腹腔短絡術(以下V-Pシャント)施行後約7週間を経て腹水貯溜をきたし,その後の髄液検査にてはじめて中枢神経系クリプトコッカス症と診断し得た1例を経験したので,特に診断上,治療上の問題点に関して文献的考察を加えて報告する.
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