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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科16巻7号

1988年06月発行

文献概要

症例

脳室腹腔短絡術後著明な腹水貯溜をきたしたクリプトコッカス症の1例

著者: 新川修司1 原明1 野倉宏晃1 宇野俊郎1 大熊晟夫1 山田弘2

所属機関: 1県立岐阜病院脳神経外科 2岐阜大学脳神経外科

ページ範囲:P.881 - P.885

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I.はじめに
 渡辺ら24)の報告によれば,真菌による中枢神経系感染症のうちクリプトコッカスによるものは80%以上を占める.しかし,診断は必ずしも容易でなく,死亡率もいまだに高率である4,5,9)
 われわれは水頭症にて発症し,何らかの中枢神経系感染症が疑われたが,真菌を含めた頻回の髄液培養検査にても起炎菌が証明されず,脳室腹腔短絡術(以下V-Pシャント)施行後約7週間を経て腹水貯溜をきたし,その後の髄液検査にてはじめて中枢神経系クリプトコッカス症と診断し得た1例を経験したので,特に診断上,治療上の問題点に関して文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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