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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科16巻8号

1988年07月発行

文献概要

総説

脳腫瘍の細胞生物学的特性

著者: 田渕和雄1

所属機関: 1佐賀医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.919 - P.931

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I.はじめに
 脳腫瘍の特性を細胞生物学的立場から明らかにしていくことは,脳腫瘍の新しい治療法あるいは診断法の開発,さらには予防の糸口を探るうえで大変重要である.近年バイオテクノロジーの急速な進歩に伴い,脳腫瘍の病態解析の細胞生物学的手法も,より精緻で多彩となりつつある.いうまでもなく脳腫瘍はその組織形態学的,生化学的表現形および増殖能に大きな特徴がある.しかし,このような脳腫瘍の細胞生物学的特性も,究極的には個々の脳腫瘍で発現されている遺伝子の相違によるものと考えられている.したがって,どのような遺伝子が個々の脳腫瘍の特性を規定しているのかを究明していくことが,今後の研究の大きな課題になるものと思われる.そこで,本稿では脳腫瘍の表現形としての腫瘍マーカー,さらに増殖能の解析と癌遺伝子について,それらの研究の現状を概説することにする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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