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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科16巻8号

1988年07月発行

文献概要

症例

前頭蓋底脳瘤—2症例報告とその分類についての発生学的考察

著者: 北原行雄1 高木宏2 市川文彦1 山田勝1 大塚英司3

所属機関: 1北里大学病院脳神経外科 2大和市立病院脳神経外科 3大和市立病院内科

ページ範囲:P.983 - P.988

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I.はじめに
 basal encephaloceleは,出生35.000—40.000に1例のencephaloceleの約1-10%であると報告されている13).また,その約半数は顔面奇形などの他の合併異常,鼻閉による呼吸障害,哺乳障害などにより1歳未満に発症し,以後は髄膜炎,鼻漏,耳鼻科乎術などにより5歳をpeakとして散発的に発症する二峰性年齢分布を示し,成人発症は20%と少ない3).一方,basal encephaloceleの分類は,頭蓋骨欠損部位,あるいはencepha—loceleの突出部位による類型分類が行われてきた13).今回われわれは成人例で耳鼻科手術により偶然発見された,他の発生異常を合併しない2例を経験した.この2例が他の発生異常を合併しなかった原因につき発生病理学的考察を加えたところ,従来の類型分類は手術方法の選択など臨床的には有用であるが,発生病理の点からは必ずしも適当でないと考えられた.
 われわれはここにbasal encephaloceleの発生病理に基づいた新分類を提唱し,従来の類型分類にわれわれの新分類を加えることにより,basal encephaloceleのより深い理解が得られると考えられたので,われわれの2症例の症例報告とともに文献的考察を加え報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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