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研究
誘発電位による脳ヘルニアの病態把握ならびに予後判定に関する実験的研究—第2報 天幕下加圧実験
著者: 高家幹夫1 森竹浩三1 小西常起12 諏訪英行13 南川順1 菊池晴彦1
所属機関: 1京都大学脳神経外科 2現籍 滋賀県立成人病センター脳神経外科 3現籍 静岡県立総合病院脳神経外科
ページ範囲:P.1037 - P.1044
文献購入ページに移動急性の後頭蓋窩占拠性病変は,脳幹に直接・間接の影響を及ぼし,しばしば生命徴候の急激な変化を来すことがある.そのため脳幹機能を客観的にモニターできる方法が求められていた.われわれは既に,ネコで天幕上硬膜外バルーン法による頭蓋内圧充進モデルを作成し,頭蓋内圧充進時の脳幹機能モニター法として誘発電位法が有用なことを報告した10).今回,後頭蓋窩急性占拠性病変のモデルとして天幕下で硬膜外バルーン法による同様の加圧実験を行い,頭蓋内圧の上昇に伴う各種誘発電位の経時的変化を観察した.そして,これらの結果を分析することによって,脳幹圧迫性後頭蓋窩病変を有する患者における脳幹機能モニター法として臨床上有用なパラメータを選び,脳幹機能の可逆性を判断するための診断基準の設定を試みた.
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