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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科16巻9号

1988年08月発行

文献概要

症例

プラジカンテルによる脳嚢虫症の1治験例

著者: 新居康夫13 中川秀光1 瀧琢有1 中林敏夫2

所属機関: 1大阪府立成人病センター脳神経外科 2大阪大学微生物病研究所寄生虫病学部 3現籍 大阪大学脳神経外科

ページ範囲:P.1083 - P.1088

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I.はじめに
 脳嚢虫症(cerebral cysticercosis)は,有鉤条虫(taeniasolium)の嚢虫による中枢神経系への感染症である.近年アメリカ合衆国では,メキシコなどの多発地域からの移民による本疾患の急増が指摘されており2,12,16),また新しい駆虫剤praziquantelが非常に有効であることが報告され,本疾患が注目されている.本邦ではきわめて稀な疾患であるが,CTスキャンの出現以来報告が増加してきており3,4,7,9,11,17,20),また韓国や中国などの多発地域との国際交流が深まるにつれ更にその重要性が高まるものと予測される.今回の症例は,外科的摘出に加えて,praziquantel投与によって治癒し得た本邦初症例であり,文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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