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症例
Persistent primitive trigeminal arteryを伴ったモヤモヤ病—症例報告と文献的考察
著者: 金城利彦1 六川二郎1 高良英一1 仲宗根進1 久田均1 石川泰成1
所属機関: 1琉球大学脳神経外科
ページ範囲:P.1107 - P.1112
文献購入ページに移動モヤモヤ病は日本人によりはじめて報告され,両側の内頸動脈終末部に狭窄,閉塞を来たしそれに伴い脳底部に異常血管網がみられる原因不明の疾患である.日本人に多発し,その正確な発生頻度は明らかではないが,日本においては1年間に約200人前後が発症していると考えられ,現在では患者数は2000人を越えると推定されている4,16).一方,persistent primitive trigeminalartery(以下PTAと略す)は胎生期遺残血管の1つであり,脳血管撮影施行例の0.1-0.3%1)に発見され,脳血管障害とくに脳動脈瘤の合併が多いことが知られている.
モヤモヤ病とPTAが合併した報告は,大槻らの類モヤモヤ病B症例も含めてこれまでにわずか5例5,6,9,13)であり,いずれも本邦における報告である.
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