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研究
脳血管攣縮発生時の脳血流速度の経時的変化と臨床症状の推移ならびに予後について
著者: 京井喜久男1 橋本浩1 徳永英守1 森本哲也1 平松謙一郎1 角田茂1 多田隆興1 内海庄三郎1
所属機関: 1奈良県立医大脳神経外科
ページ範囲:P.21 - P.30
文献購入ページに移動1982年,Aaslidなどが頭蓋内血管の血流速度を非侵襲的に信号としてとらえることのできる経頭蓋骨的超音波ドプラ血流速度測定装置(Transcranial DopplerUrtrasonography)を開発して以来,虚血性脳血管障害,脳動脈奇形,くも膜下出血後の血管攣縮の診断に応用されて来ている.特に,血管攣縮のtime courseを確認する方法は,現在では血管撮影による以外には方法はなく,また,血管撮影は攣縮発生患者の神経症状を悪化させる要因ともなり,非侵襲的で,反復検査のできる経頭蓋骨的ドプラ法の臨床的有用性が注目されているが未だ詳細な報告は少ない.
今回,われわれは,破裂脳動脈瘤手術患者18例を対象として,手術施行の翌日より3-4週間に亙り主幹動脈の血流速度を経時的に測定し,術後脳血管攣縮の発生に伴う脳循環の変化を臨床症状の推移,血管撮影ならびにCT所見と対比検討した結果,若干の知見を得たので文献的考察を加えて報告する.
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