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研究
悪性グリオーマの局所脳循環代謝—Positron Emission Tomography(PET)による腫瘍局所別の定量解析
著者: 笹嶋寿郎1 峯浦一喜1 古和田正悦1 宍戸文男2 上村和夫2
所属機関: 1秋田大学医学部脳神経外科 2秋田県立脳血管研究センター放射線科
ページ範囲:P.1005 - P.1013
文献購入ページに移動悪性グリオーマは形態学的および生化学的に多様な腫瘍細胞で構成されており,in vivoにおける腫瘍局所の循環代謝の検討は病態の解明に重要な課題である.腫瘍細胞の放射線感受性は腫瘍組織の循環代謝動態によって変化し2,17),脂溶性制癌剤は局所血流量に,水溶性制癌剤は血液脳関門の障害程度に関連して腫瘍内に到達し12),腫瘍局所の循環および代謝動態の把握は放射線化学療法の成績向上にも大いに関連している.われわれはグリオーマの局所脳循環代謝量をpositron emissiontomography(PET)で測定し,腫瘍部における酸素代謝の低下と組織悪性度に伴う糖代謝の亢進を報告している13).
今回,悪性グリオーマの腫瘍活性部,壊死部および周辺浮腫部の循環代謝量をPETで解析したので報告する.
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