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研究
中枢神経系奇形の胎内出生前診断と治療選択における新たな臨床歴史段階
著者: 大井静雄1 松本悟1 片山和明2 望月真人2
所属機関: 1神戸大学脳神経外科 2神戸大学産科婦人科
ページ範囲:P.1029 - P.1035
文献購入ページに移動先天性中枢神経系奇形の治療法と治療適応に関する見解には,過去半世紀に及ぶ歴史的な変遷がみられてきた6,14,18).そして,近年その胎内出生前診断法の進歩と共に胎生期におけるlegal terminationの適応8,11,22)という手段が導入されはじめた.また,一方では,胎内出生前治療も考慮され1,12),中枢神経系奇形の臨床は,新たな歴史段階を迎えつつあるといえる.
本邦においての実際の臨床にあたって,α—fetopro—tein等のマーカー検査は徹底するに及ばず,中枢神経系奇形の出生前診断法には画像診断法が広く普及するに至っている.そのため多くの中枢神経系奇形は,legal ter—minationの許容期間を過ぎたthird trimesterに診断されているのが現状である9,19).これらの本邦における諸問題を前提として自験の症例の分析を行い,中枢神経系奇形の臨床における今後の課題を検討した.
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