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症例
両側性椎骨動脈狭窄に対するPTAの1例
著者: 田中公人1 和賀志郎1 小島精1 清水健夫1 小川裕之1 坂倉充2 宮崎真佐男3
所属機関: 1三重大学脳神経外科 2山田日本赤十字病院脳神経外科 3山田日本赤十字病院神経内科
ページ範囲:P.1165 - P.1168
文献購入ページに移動従来,動脈硬化性椎骨動脈狭窄による椎骨脳底動脈血流不全に対する外科的治療には種々の血管手術法があるが,最近,より簡便で有効な治療法としてpercu—taneous transluminal angioplasty(PTA)が施行されている.PTAはDotterとJudkins7)らにより始められ,Gruntzig balloon catheterの導入により冠状動脈,腎動脈等の全身の閉塞性血管病変に対して広く施行されるようになり良好な結果が得られている18).しかしPTAの脳神経外科領域病変への適応には,梗塞などの合併症が大きな障害となるため症例の選択が必要とされる.今回,われわれは椎骨脳底動脈血流不全により発症し内科的治療が無効であった両側性の椎骨動脈起始部狭窄病変を有する症例にPTAを施行し良好な結果を得たので,閉塞性脳血管病変に対するPTAの適応および問題点につき文献的考察を加えて報告する.
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