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症例
軽度外傷後に生じたと思われる脊髄髄内空洞(嚢胞)の1例
著者: 佐藤慎哉1 溝井和夫1 藤原悟1 天笠雅春1 鈴木二郎1
所属機関: 1東北大学脳研脳神経外科
ページ範囲:P.187 - P.191
文献購入ページに移動脊髄外傷を契機として,脊髄髄内に空洞を形成する外傷性脊髄空洞症は,脊髄外傷症例の0.3-3%に生ずる比較的稀な疾患とされているが,近年MRI等の画像診断の発達にともない脊髄髄内疾患への関心が高まり外傷性脊髄空洞症の報告例も散見されるようになってきた.しかしながらこれらの報告の多くは,対麻痺・四肢麻痺を生ずる重症の外傷後に発生したものであり,軽微な外傷後の報告例は少ない.
今回著者らは,軽度の頸椎外傷に起因したと思われる脊髄髄内空洞(嚢胞)の症例を経験したので,その臨床経過と発生機序に関し若干の文献的考察を加え報告する.
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