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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科17巻3号

1989年03月発行

文献概要

脳腫瘍の組織診断アトラス

(2)Oligodendroglioma(乏突起膠腫)

著者: 森照明1

所属機関: 1大分医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.213 - P.222

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I.はじめに
 Oligodendroglioma乏突起膠腫(OLG)は1926年Baily and Cushing1)によりoligodendrocyteから発生するgliomaとして分類され,3年後Baily and Busy2)がその臨床,病理像について初めて13例を報告した.その後現在まで多くの報告が見られるが近年,その病理学的所見については議論の多いところである.従来,光顕上本腫瘍と診断されたもののなかに,電顕や免疫組織学的検索の結果,別の脳腫瘍と確診されるものが増え5,16,18,43),光顕上特徴的とされた所見は,いろいろな脳腫瘍が示しうる一形態にすぎないと言う意見や,OLGの存在を疑問視する声もある19).一方ではtight junction等特有所見とする意見もあり,発生,分類,診断上種々の問題点が指摘されている15).従って現時点ではOLGの診断は光顕,電顕所見にさらに免疫組織学的検索,臨床データの検討を加え,総合的な判断で行うことが大切である.
 ここではこれまで報告されてきたOLGの病理組織学的所見を中心に述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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