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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科17巻3号

1989年03月発行

文献概要

研究

脳内増殖腫瘍のMHC抗原制御機構に関する分子生物学的解析(第1報)

著者: 山崎俊樹1 菊池晴彦1 山下純宏13

所属機関: 1京都大学脳神経外科 2カロリンスカ研究所(腫瘍生物学部門) 3現 金沢大学脳神経外科

ページ範囲:P.229 - P.237

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I.はじめに
 主要組織適合複合体(Major Histocompatibility Com—plex, MHC)抗原は多重遺伝子群(26-32遺伝子)より構成されており,極めて遺伝的変異性に富み,その多型性が細胞障害性T細胞(cytotoxic T lymphocyte, CTL)や抗体などとの自己識別機構において"self"receptor分子あるいは抗原決定基として適切に対応するという免疫学的役割の重要性が指摘されている.さらに,MHC抗原は腫瘍に対する宿主の生体防御機構に重要な役割を担っている免疫応答遺伝子とも密接に連鎖していることから,腫瘍のtumorigenicityあるいはimmunogenicityにも影響を及ぼす遺伝子産物としての機能を有しているものと考えられている4,5,7-9,26-29,31).近年,飛躍的に発展した遺伝子組換え技術や分子生物学的手法は,生体組織や培養細胞株などからDNAあるいはメッセンジャーRNA(mRNA)を抽出し,これに対する相補的塩基配列を有するDNA(complementary DNA, cDNA)のクローニングを可能にし,遺伝子DNAコードの解析を可能にしている.最近,MHC抗原系においても抗原認識機構の調節系に関与した遺伝子が存在し,他の遺伝子制御機構におけると同様に,遺伝子発現(転写・翻訳)と最終遺伝子産物の生成が直列的に連関していると示唆されている21,23,30)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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