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研究
脳血管奇形における脳血流異常—Cold Xenon CT法による検討
著者: 内田耕一1 田村清隆1 高山秀一1 小滝浩平1 河瀬斌1 志賀逸夫2 戸谷重雄1
所属機関: 1慶応義塾大学脳神経外科 2慶応義塾大学放射線科
ページ範囲:P.239 - P.246
文献購入ページに移動脳血管奇形の循環動態を把握し,周辺正常脳組織がどのような影響をうけるかを知ることは,その臨床症状,外科的治療の是非を検討する観点からも重要である.しかし,脳血管奇形周辺脳組織の循環動態に関して,CT,脳血管撮影により得られる情報は少ない.脳動静脈奇形(以下AVM)に関しては,従来より種々の測定法を用いた検討がなされ,その周辺脳組織の循環動態に言及した報告が散見されるものの1,3,7,12,13,15,17,21),AVM周辺に乏血域が存在するか否かに関し必ずしもその結果は一致せず,また他の脳血管奇形に関しては,その循環動態及び周辺脳組織への影響に着目し詳細に検討した報告はない.今回われわれは,AVM,ガレン大静脈瘤(以下AVG),脳静脈性血管腫(以下VA)等の種々脳血管奇形における周辺部脳血流量をXenon-enhanced CT法(以下Xe CT)により測定し若干の知見を得たので報告する.
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